干し野菜はオーブンでも作れる?天日干しとの違いをやさしく解説

2025年10月2日by 小島怜

妹が書く「干し野菜」の連載記事を読み進めること数週間。私はある問題にぶつかっていた。

「あぁ、また雨だぁ」

不安定な気候状態が続き、晴れ間がなかなか顔を見せてくれない日が続いていたのだ。私は自分のマンションの小さなベランダで美味しい干し野菜を作る気満々で休みの日が来るのを心待ちにしていた。

《太陽光をたくさん浴びた干し野菜、そのお味は格別です。旨味と甘さが凝縮された干し野菜を是非みなさまにも味わってもらいたいものです。》

妹の文章を読みながら、私はすっかり干し野菜作りにハマってしまった。

「ねえ、こっちずっと雨なのよ。せっかくあんたの記事読みながら干し野菜作ろうと思ったんだけど」

「あら、そんなの別の作り方を試したらいいんじゃない?」

電話口の妹は剽軽な声で私にそう言った。

「オーブンレンジよ。お姉ちゃん確か前にお菓子作りに目覚めてオーブン買ったじゃない?あれで作ることもできるわよ」

そうなのだ。私は去年、SNSで見たヘルシーお菓子にハマりオーブンレンジを購入したのだ。今となってはキッチンの麗しいオブジェとして活躍の時を待っている。

「なるほど!試してみるわ」

私は妹の記事の中にある「番外編」と題された記事から「オーブンで作る簡単干し野菜」の項目を読みながら、早速干し野菜作りに着手した。

「あら、ほんと簡単に作れるのねぇ」

先ず食べやすい大きさにカットした野菜を、クッキングシートを敷いた天板に乗せる。オーブンは予熱なしで、100度程度の低温に設定し、少しずつ様子を見ながら加熱するというのが工程だ。トマトなどの水分を多く含んだ野菜は、1時間程度時間をみておくといいのだそう。じっくりと火が通っていく野菜を眺め、その間お家時間を楽しみながら完成の時を待つ。まるで生活の中にほんの少しの余白が出来たようで、私は贅沢な気持ちになった。

出来上がった干し野菜を食べて驚いた。しっかりと水分が抜け、野菜本来の甘さが口の中に広がった。

「こんなに本格的な干し野菜が、オーブンでもできるのね」

私は紅茶を淹れ、夕飯前の贅沢なお茶の時間をたのしんだ。

「次こそはベランダで日の光に当てて作るわよ!」

天日干しで作る干し野菜への気持ちを新たにした私は、たくさん作ったオーブン干し野菜たちをガラス瓶に入れた。色とりどりの野菜が詰まった瓶を見るだけで気持ちがぱっと明るくなるようだった。

第五話:電子レンジで簡単!色鮮やかな干し野菜の作り方と楽しみ方

ピーマンが置かれている様子

干し野菜はオーブンと天日干しでどう違う?

干し野菜は、乾燥の方法によって味わいや仕上がりが変わります。大きく分けると「天日干し」と「オーブン乾燥」の2つの方法があり、それぞれに特徴があります。

天日干しの特徴

  • 太陽光と風を利用してじっくり水分を飛ばす

  • 甘みや旨味がしっかり凝縮される

  • 栄養価が高まりやすい(ビタミンD生成など)

  • 天気や湿度に左右されやすい

特に秋から冬にかけての乾燥した晴天の日がベストシーズン。自然の力で仕上げるため、風味が豊かで栄養価も高まるのが魅力です。

オーブン乾燥の特徴

  • 天気に左右されず一年中できる

  • 温度や時間をコントロールしやすい

  • 衛生的に仕上がる

  • 電気代や加熱により、野菜によっては風味が変わることも

低温(90〜110℃前後)でじっくり乾燥させることで、家庭でも手軽に干し野菜を楽しめます。雨の日や冬場におすすめの方法です。

比較表|オーブンと天日干しの違い

項目 天日干し オーブン乾燥
味わい 甘み・旨味が強く凝縮される 野菜本来の甘みが出るが、加熱の風味も出る
栄養 ビタミンD生成が期待できる 栄養は残るが一部は加熱で失われる
作業性 天候に左右される 天気に関係なく作れる
所要時間 半日〜2日程度 1〜3時間程度
保存性 水分がしっかり抜ければ長期保存向き 乾燥具合を調整しやすく、保存にも適する
コスト 太陽光で無料 電気代がかかる
向いている野菜 大根・にんじん・ナス・葉物類 トマト・かぼちゃ・きのこ類

どちらを選ぶ?使い分けのヒント

  • 自然な風味と旨味を楽しみたい → 天日干し

  • 忙しい日や雨の日でも手軽に作りたい → オーブン乾燥

天日干しは伝統的な製法で深い味わいが得られる一方、オーブンはライフスタイルに合わせて気軽に挑戦できるのが魅力です。両方の方法を知っておくと、季節や生活リズムに合わせて干し野菜を楽しめます。

干し野菜の活用法

  • 天日干し大根 → 煮物や炊き込みご飯に

  • オーブン干しトマト → パスタやピザのトッピングに

  • 干しきのこ → 出汁代わりにスープへ

  • 干しナス・干しかぼちゃ → 素揚げして和え物に

干し野菜は「旨味が濃縮される」+「調理時間が短縮される」ので、普段の料理がぐっとおいしく、時短にもつながります。

まとめ|オーブンと天日干しの違いを知って賢く使い分けよう

干し野菜は、どんな家庭でも工夫次第で取り入れられる万能な保存食です。天日干しは太陽と風の力を借りる昔ながらの製法で、野菜の甘みと旨味が凝縮されるうえ、栄養価も高まるのが魅力です。一方で、天候や季節に左右されやすく、安定して作るには条件を選ぶ必要があります。

オーブン乾燥は、時間や温度を調整しながら一年中作れるのが大きな利点。雨の日や冬場でもすぐに取りかかれるため、忙しい現代の暮らしに合った方法といえます。ただし、電気代や加熱による風味の変化もあるため、野菜によって使い分けるのがおすすめです。

つまり「じっくり旨味を引き出したいときは天日干し」「手軽に確実に仕上げたいときはオーブン」と覚えておくとよいでしょう。どちらの方法でも、普段の野菜が驚くほど美味しく変わり、料理の幅もぐっと広がります。

自宅で作る干し野菜は、保存性が高まるだけでなく「もったいない食材を活かす」アップサイクルにもつながります。暮らしの中に取り入れることで、食卓に小さな豊かさと彩りを加えてくれるはずです。ぜひ天候やライフスタイルに合わせて、両方の方法を楽しんでみてください。


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