ダイエットとドライフルーツ|太らない人が意識している選び方

2025年12月13日by 小島怜

朝、オフィスに出勤すると後輩が半分泣きそうな顔で私に詰め寄ってきた。

「昨日、彼氏に太った?って言われたんですぅ……」

普段からひときわ愛嬌のある彼女の膨らんだ張り艶のある頬が、その日は少ししぼんで見えた。

「あら、そう?太ってなんかないわよ?」

私はコートをハンガーに掛けながら彼女の全身を眺めた。

「本当のこと言って下さいよぉ……体重計ったら3キロ太ってましたし」

私は彼女の肩に手を置き慰めた。

「3キロ太ったって、最近暴飲暴食でもしてたの?」

私の質問に彼女は大きく首を横に振った。

「いいえ!でも、先輩の特集記事のドライフルーツに触発されて、私も手当たり次第色んなドライフルーツを買ってはおやつに食べていたんです」

そして彼女はこう続ける。

「なのに、なのに、どうして先輩は太らないで、私は太っちゃったんですか……」

私は後輩のその言葉でピンときた。

「ねえ、その食べてたドライフルーツってどんなの?」

私が訊ねると後輩は即座にバッグの中から3、4袋のドライフルーツを出して見せてくれた。そのどれもが「砂糖漬け」と書かれてあった。

「これを小腹が空くたびに食べていたの?」

「はい。だってポテチ食べるより健康志向高そうだし」

「お砂糖まみれの果物をちょっとお腹が空く度に食べていたんじゃ太るわね。3キロでよかったじゃない」

私の言葉にオフィスの中からも予期せぬ小さな拍手が起こった。

ドライフルーツの落とし穴とでも言うべきか。乾燥させることで、ただでさえ糖度の高くなるフルーツをさらにお砂糖でコーティングするのだから、カロリーも上乗せされて然りだ。

ドライフルーツはもちろん美容や健康に結びつく優秀食材だが、食べ方や食べるタイミングを考えて摂取することが大事なことも事実なのだ。

「そんなこと知りませんでしたよ……言っておいてくださいよぉ」

その日以来、私のデスク周辺では美容意識の高い女子部員たちによる、ダイエット情報の交換会が行われているようだ。

「先輩はそんなにスリムですけど、何かダイエットしてますか?」

後輩に訊ねられ、少しばかり自分の食生活を振り返る。不規則すぎて若干エネルギー不足かもしれない。

「いや、今日はまだコーヒーしか口にしてない……かな」

そう言うと、女子部員たちのうらめしそうな視線が私の身体に刺さった。

「健康や美容はその人に合ったやり方でね」

そう言って、私はバッグからパイナップルのドライフルーツを取り出した。甘酸っぱさが口に広がって疲れが取れていく。

ダイエットと食べ物のすれ違い

ダイエットという言葉には、どうしても我慢や制限のイメージがつきまといます。特におやつは、真っ先に避ける対象になりがちです。しかし実際には、何をどのように食べるかによって、結果は大きく変わります。

健康そうだから大丈夫、果物だから安心。そうしたイメージだけで選んでしまうと、思わぬ落とし穴にはまることもあります。ドライフルーツは、その代表例と言える存在です。

ドライフルーツは太るのか

結論から言えば、ドライフルーツそのものが悪いわけではありません。問題になるのは、種類と食べ方です。

果物は乾燥させることで水分が抜け、糖分が凝縮されます。そのため、生の果物と同じ感覚で食べると、摂取カロリーは自然と高くなります。さらに砂糖漬けのドライフルーツの場合、乾燥によって高まった糖度の上に、追加で糖分が加えられているため、甘さもカロリーも一気に跳ね上がります。

健康を意識して選んだつもりが、実は甘いお菓子と変わらないものを頻繁に口にしていた、というケースは決して珍しくありません。

ダイエット中に意識したいポイント

ドライフルーツをダイエット中に取り入れるなら、いくつか意識しておきたい点があります。

まず確認したいのは、原材料表示です。砂糖やシロップが使われていないものを選ぶだけでも、摂取カロリーは大きく変わります。果物だけで作られたドライフルーツは、甘さが自然で、少量でも満足感があります。

次に重要なのが量です。ドライフルーツは少しで満たされる食べ物です。小腹が空いたときに、数切れだけをゆっくり噛んで食べる。そのくらいがちょうど良い距離感と言えるでしょう。

太りにくい人が自然にやっていること

太りにくい人は、特別なダイエット法を実践しているとは限りません。多くの場合、食べ物との距離感が上手です。

ドライフルーツを例にすると、空腹を紛らわすために無意識に食べ続けるのではなく、疲れたときや集中力が落ちたときに少量を選んでいます。甘さを味わうことで満足し、それ以上を欲しがらない。この感覚が、結果として体型を安定させています。

ダイエットは我慢ではなく調整

ダイエットというと、食べたいものを我慢する行為だと思われがちですが、実際には調整に近いものです。何を食べるか、いつ食べるか、どのくらい食べるか。その積み重ねが、体に表れます。

ドライフルーツは、美容や健康の味方にもなれば、気付かないうちに体重を増やす原因にもなります。だからこそ、正しく知って付き合うことが大切です。

自分に合ったやり方を見つける

ダイエットに正解はありません。同じ食べ物でも、合う人と合わない人がいます。大切なのは、誰かのやり方を真似することではなく、自分の体や生活リズムに合った選択をすることです。

ドライフルーツを楽しみながら、無理なく体と向き合う。その延長線上に、長く続けられるダイエットがあります。甘さを味方にするか、敵にするかは、自分次第です。


ドライフルーツを試してみる

「葉とらず信州りんご」をスティック状にカットしたドライりんごの集合画像
薄くスライスされたドライりんごがバラバラに並んでいる様子
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ドライみかんを重ねて並べた様子(正面)
ドライみかんを円形に並べたイメージ
ドライみかん
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ドライ梨とパッケージが一面に広がる俯瞰イメージ
梨とパッケージが整然と並ぶ白背景のスタイリング
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ティーカップに入れて楽しむドライ梨のイメージ
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沖縄県産のドライパイナップル
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