行き場のない規格外野菜
規格外野菜を使った乾燥野菜ブランドOYAOYA
自分の成長にも必要な水分や栄養を兄弟に分け与えて、曲がってしまった家族思いのきゅうり。フカフカした土のベッドが心地よく、実が割れるまで眠ってしまったお寝坊さんのラディッシュ。
規格外野菜はどこへいくのか
スーパーやデパートなどの店頭に並ばず、街の日常では見かけない規格外の野菜たちには、ヒトに喩えるなら家族構成や家庭環境、その子の性格といった様々な事情により、見た目が整わないせいで規格をクリアできなかった、誰も知らないストーリーがあります。
農家さんにとっては規格外の野菜も、手塩にかけて育てる手間は同じです。いざ収穫のときを迎えてみたら、形や大きさなどが不揃いだったというだけで、味そのものに変わりはありませんから、おいしい野菜がほとんどなんです。
廃棄される規格外野菜
規格外の野菜が出る割合は、農家さん1軒あたり、総収穫量の3割程度。廃棄されたり、安く売られたりする野菜たちのアップサイクル手段として、乾燥野菜へと加工するなど、独自で工夫されている農家さんもあります。
アップサイクルして乾燥野菜に
でも、行き場のない野菜にせっかく価値を付けたというのに、乾燥野菜といえば切り干し大根、昔ながらの保存食と、まだまだ世間一般のイメージはちょっぴり地味なものばかり。実際のところ、乾燥野菜は旨味がぎゅっと凝縮される分、土や堆肥、栽培方法といった農家さんのこだわりによって味に違いが出て、野菜のおいしさを再発見する、畑の新しいご馳走なんです。
定番の大根は、うんと味濃く。きゅうりはもぐもぐ甘い、おいしさ真っ直ぐのはじめて食感へ。ラディッシュはほんのりとした甘さも、寝坊して恥ずかしそうに顔を赤らめた色も、そのまま。
乾燥野菜にふさわしい規格外野菜
規格外の野菜こそ、実は乾燥野菜の主役にふさわしくて、
童話『みにくいアヒルの子』のようなハッピーエンドが似合う、
農業と食卓のおいしい!を耕す存在なのかもしれません。