干し野菜は夜どうする?天日干しの正しい取り込み方と保存方法

Oct 2, 2025by 小島怜

自宅で干し野菜を作り始め早くも1ヵ月が過ぎようとしている。干し野菜作りは天候に左右されることを危惧する人が多いかもしれないが、自宅で作りにあたりオーブンレンジがあれば、太陽光に当てずとも簡単に干し野菜を作ることが出来る。

とは言えやはり、自分の部屋の小さなベランダで天日干しした干し野菜を作りたい、そう思うのは至極当然のことだ。

「よし!今日は干すわよ!」

私は前日から用意した野菜たちを食べやすい形にカットし、いざ太陽光の降り注ぐベランダへ運んだ。天日干しをする場合、オーブンレンジで作る時と違い、「長丁場」になるのは否めない。私は土日祝の3連休を利用し、3日間かけて干し野菜を作る計画を立てていた。

「ふぅん。干し野菜って天日干しする場合は最低でも2日間はかかるのね」

妹の記事を読み進めるうちに、干し野菜に関する豆知識が増えていく。そこでふと気になったこと、それは「日中、陽の光に当てた野菜を夜はどうするのか?」

妹の連載記事はこちらの疑問を見透かして明快な答えを出してくれていた。

《日中お日様の光をたくさん浴びた野菜たち。夜はどうするの?そう思ったそこのあなた!心配ご無用。お家の中へ入れてあげて下さい。》

「ほう……夜は家の中で保管するんだ」

《夜間は湿気が増えてしまいます。夜露に濡れるなんて表現があるくらい、夜は湿度が昼間より上がるのです。ですから天日干しした野菜たちを傷ませないためにも、保存袋に入れ冷蔵庫で保管するようにして下さいね。》

妹の解説を目から鱗の思いで読んでいる私は、今ベランダで太陽の光を浴びながら乾燥中の野菜たちをなんだか可愛らしく思ったのだった。

「手間ひまかけるってこういうことなのね」

情報社会の中で生きる私たちは、つい合理化ばかり求めがちだ。どんなことも効率化をはかり、時間をかけて育むことを忘れてしまう瞬間が多くなっている。

そんな時に自宅で干し野菜を作るなんて、時代に逆行しているのかも知れない。でも、自分の手で野菜の恩恵を形に出来る営みが、こんなに簡単に出来るなら、私はいくらでも時間をかけようと思う。

第七話:干し野菜に最適な野菜10種類!初心者でも失敗しない選び方

干し野菜は夜どうする?正しい扱いと長く楽しむための工夫

干し野菜を天日干しする際、多くの人が疑問に思うのが「夜になったらどうすればいいのか?」という点です。実はこの扱いを間違えると、せっかく作った干し野菜が台無しになってしまいます。夜は湿度が高く、日中に抜けた水分がまた戻ってしまう環境だからです。夜露に濡れたり湿気を含んだりすると、カビや傷みの原因になり、干し野菜本来の旨味や保存性が損なわれます。

天日干しの基本は「昼は外、夜は中に入れる」。この流れを押さえておけば、安心して美味しい干し野菜を仕上げることができます。

夜間の正しい取り込み方

夕方になったら、まだ野菜が完全に乾ききっていなくても必ず取り込みましょう。取り込んだ干し途中の野菜は、清潔な保存袋や密閉容器に入れて冷蔵庫で一晩保存するのが理想です。冷蔵庫の中は温度と湿度が安定しているため、乾燥具合を保ちながら夜間の湿気から守ることができます。

もし冷蔵庫のスペースに余裕がない場合は、常温の室内でも問題ありません。ただし、その場合は風通しの良い場所に置き、直射日光や暖房の風が当たらないように工夫しましょう。

翌日の干し方の流れ

翌朝、天気が良ければ再び外へ出して干します。特に午前10時から午後3時頃は日差しが強く、乾燥に最も適した時間帯です。日中にしっかりと乾燥させ、また夕方には取り込む。この「昼は外・夜は中」を繰り返すことで、2〜3日かけてじっくりと水分を抜いた本格的な干し野菜が完成します。

このサイクルを意識するだけで、仕上がりがぐっと安定し、甘みや旨味が凝縮された美味しい干し野菜に仕上がります。

夜の保存で気をつけたいポイント

夜に取り込んだ干し野菜を保存する際には、いくつかの注意点があります。

  • 水分が多い野菜(トマトやきゅうりなど)は、必ず冷蔵庫保存を選ぶ

  • 保存袋や容器は清潔で乾いたものを使用し、余分な水分は拭き取っておく

  • 翌朝外に出す際は、表面が冷えて結露していないかチェックする

こうした小さな工夫が、干し野菜を長持ちさせるコツになります。

効率よりも「手間ひま」の価値

天日干しは、オーブンや電子レンジと違ってどうしても時間がかかります。毎日取り込む手間も必要です。しかしその「手間ひま」こそが、干し野菜の味を特別にしてくれる要素です。じっくり時間をかけることで旨味と甘みが増し、同じ野菜でもまったく違う風味が楽しめます。

合理化が進む今だからこそ、あえて時間をかけることに価値があります。干し野菜作りは単なる保存食づくりではなく、日々の暮らしに「待つ楽しさ」と「出来上がる喜び」を与えてくれる営みなのです。

まとめ

干し野菜を夜どうするかの答えはシンプルです。「必ず取り込んで、冷蔵庫で保存」。そして翌朝また太陽に当てて干す。このサイクルを繰り返すことで、安心・安全で美味しい干し野菜が完成します。効率よりも手間ひまを大切にすることで、食卓に豊かさと深い味わいを加えてくれるのが天日干しの魅力です。