トロピカルな甘みで癒される|南国ドライフルーツに詰まった自然の栄養

11 nov. 2025by 小島怜

ライターとして地域密着型の出版社に勤め、勤続15年目にして部署替えを経験した私は、現在、主婦層をターゲットにしたカルチャー系の記事を書いている。その記念すべき初仕事は「ドライフルーツ」の情報発信だ。

部下や後輩たちもそれぞれに受け持ちのテーマがあり、私たちは切磋琢磨しながら部署を動かしている。

私が担当する「ドライフルーツ」は一見テーマが狭く限定的な印象を受けるが、調べれば調べるほどに膨大な情報に行き当たる。

「どこから整理しようかしら」

手当たり次第に集めた雑誌や料理本などの文献、インターネットの情報を前に私は途方に暮れかけていた。そんな時、後輩が私にこんな話をしてくれた。

「今先輩が書いている記事、ドライフルーツですよね。はい、これあげます」

そう言って後輩が差し出したのはコンビニで売っているマンゴーのドライフルーツだった。

「これ私大好きなんですよねぇ。しっかり甘味があって歯ごたえも最高なんです。だから私は断然、グミよりドライフルーツ派です」

彼女は私に差し出したものと同じ商品をポケットから出して私に見せた。

「そうか……身近なところに意外とテーマって落ちてるんだわ」

救世主のような後輩からもたらされたヒントによって、私の執筆機運は一気に高まったのだった。

「よし、先ずはドライフルーツの定番果物についてまとめるとするか」

私は《ドライフルーツと言えば》をテーマに据え執筆を開始した。

ドライフルーツはその名の通り果物を乾燥させたものだ。それゆえ乾燥後にも果物本来の味や食感がそのまま出てしまう。

ドライフルーツとして私たち日本人にも馴染み深いフルーツと言えば、真っ先にその名前が浮かぶのはパイナップル、マンゴーあたりだろうか。どちらも南国フルーツとして糖度の高い人気果物だ。しかも嬉しいことにドライマンゴーは生のマンゴーと比してその約10倍のビタミンAが含まれている。さらに、3倍以上のビタミンCとビタミンEが含まれている。つまり食べながらにして美容効果があるというわけである。一方のドライパイナップルは披露回復に効くとされるビタミンB1、ビタミンC、クエン酸が含まれている。おまけに食物繊維も豊富なため整腸作用が期待できるらしい。

「すごーい……ただ果物を乾燥させただけのおやつじゃなかったんだ……」

私は手元に置いていた後輩からの嬉しい差し入れを手に取って感心したのだった。

第三話:柑橘系ドライフルーツの魅力|オレンジ・みかん・レモンが生む爽やかな甘みと香り

南国フルーツを凝縮した自然のスイーツ

ドライフルーツとは、果物を乾燥させて水分を抜き、保存性を高めた食品です。
乾燥によって果物の甘み・香り・旨みがぎゅっと凝縮され、常温で長期保存できるのが特徴です。
特にマンゴーやパイナップルなどの南国フルーツは、もともと糖度が高く、ドライ加工にすることでより濃厚で芳醇な味わいに仕上がります。

ドライマンゴーの特徴

マンゴーは南国を代表する果物で、濃厚な甘みと芳醇な香りが特徴です。
ドライマンゴーに加工することで、水分が抜けて果実の風味が凝縮され、噛むほどに甘みが広がります。
しっとりとした食感とトロピカルな香りが楽しめるため、おやつとしてはもちろん、紅茶やハーブティーと合わせてもよく合います。
砂糖を加えなくても自然な甘さが感じられ、やさしい果実味をそのまま味わえるのが魅力です。

ドライパイナップルの特徴

パイナップルは、爽やかな酸味と甘みのバランスが取れたフルーツです。
ドライ加工によって風味が濃くなり、噛むほどに果汁のようなジューシーさが広がります。
やわらかな食感で食べやすく、そのまま食べるのはもちろん、ヨーグルトやグラノーラのトッピングにもぴったり。
ほんのりとした酸味が料理やお菓子のアクセントにもなり、南国らしい明るい味わいをプラスしてくれます。

南国ドライフルーツの魅力

南国フルーツのドライ加工は、果物本来の甘みを生かしながら、持ち運びやすく、栄養を手軽に摂れる点が魅力です。
砂糖を加えないタイプであれば、カロリーを抑えつつ自然の甘さを楽しむことができ、健康的な間食としても注目されています。一方で、乾燥によって糖度が高まるため、食べ過ぎには注意が必要です。1日あたり20〜30gを目安に少量を楽しむのが理想的です。

まとめ

マンゴーやパイナップルなどの南国ドライフルーツは、太陽の光をたっぷり浴びて育った果実の栄養と風味をそのまま閉じ込めた自然のスイーツです。
濃厚な甘みと豊富なビタミンが魅力で、美容や健康を意識する人にもぴったり。
トロピカルな香りに癒されながら、日常の中で南国の恵みを味わうことができます。