干し野菜の王様!しいたけの旨味を最大限に引き出す3つの調理法
皆さん、干ししいたけって普段どれくらい使ってますか?
私の実家では和食が出ることが一般的で、その中でも煮物料理は大好物でした。その主役とも言える干ししいたけは我が家の常備食材。煮物や味噌汁に入れると、あの独特の香りと深い味わいで料理がグッと引き締まるんですよね。
実は、干ししいたけには生のしいたけとは比べものにならないほどの栄養価とうま味が凝縮されているんです。生しいたけと比べると、ビタミンDは約10倍、食物繊維は約2倍も含まれています。特に注目したいのは「グアニル酸」といううま味成分。これが干ししいたけの風味を決定づける重要な要素なんです。

干ししいたけが持つ「グアニル酸」は、昆布の「グルタミン酸」、かつお節の「イノシン酸」と並ぶ「三大うま味成分」の一つ。でも、なぜかこの「グアニル酸」だけが忘れられがちなんですよね。
干ししいたけの戻し方マスター術!
うま味を逃さない3つの方法
干ししいたけを使う時、どうやって戻していますか?
実は、戻し方一つでうま味の量が大きく変わってくるんです。せっかくの「グアニル酸」を最大限に活かすためにも、正しい戻し方をマスターしましょう。ここでは特におすすめの3つの方法をご紹介します。
1. レンジ戻し法(最速約10分前後)
「干ししいたけを戻すのって時間がかかって面倒…」と思っている方には、電子レンジを使った戻し方がおすすめ!
干ししいたけを使って、わずか10分程度で戻せる方法です。しかも、うま味が戻し汁に逃げないので、しいたけ自体の風味がより濃厚になります。
【レンジ戻しの手順】
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干ししいたけの軸をキッチンばさみで切るか、手で折る
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軽く流水で洗い、ほこりを落とす
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耐熱容器に干ししいたけと同量の水を入れ、傘の裏が水に浸るように並べる
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ラップを水面としいたけに密着させてかぶせる
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電子レンジ(500W)で3分加熱(様子を見て時間の調整を行なってください)
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そのまま15分間放置して冷ます
このレンジ戻し法は、水戻しで待てない!という形に向けたアイデアです。
2. 水戻し法(じっくり派におすすめ)
時間に余裕があるなら、水で戻す方法もおすすめです。冷蔵庫に一晩置いておくだけなので、前日の夜に仕込んでおけば翌朝には使えます。水戻しの良いところは、しいたけの風味がじわじわと引き出されること。戻し汁にもたっぷりうま味が出るので、その戻し汁も料理に使えば、うま味を余すことなく活用できますよ。
3. お湯戻し法(時短&うま味重視)
比較的短時間で戻したい場合は、お湯戻しがおすすめ。60℃前後のお湯で30分ほど戻すと、うま味成分のグアニル酸が効率よく引き出されます。実はしいたけのうま味成分であるグアニル酸は、40〜60℃の温度帯で酵素が活性化して生成されると言われています。だから熱湯ではなく、少し冷ましたお湯を使うのがポイント!
方法 | 所要時間 | ポイント | メリット | 注意点 |
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レンジ戻し法 | 約18分(加熱3分+放置15分) | 薄葉しいたけ向き。耐熱容器に水と一緒に入れラップを密着させる。 | 最速で戻せる。うま味が戻し汁に逃げにくい。 | 分厚いしいたけには不向き。加熱しすぎに注意。 |
水戻し法 | 冷蔵庫で一晩(6〜12時間程度) | 水に浸けてじっくり戻す。 | しいたけ自体がふっくら仕上がり、戻し汁もうま味たっぷり。 | 時間がかかる。急いでいる時には不向き。 |
お湯戻し法 | 約30分(60℃前後のお湯) | 40〜60℃で酵素が活性化しグアニル酸が生成されやすい。 | 比較的短時間で効率的にうま味を引き出せる。 | 熱湯はNG(うま味成分が壊れる)。温度管理が必要。 |
干ししいたけの旨味を最大限に引き出す3つの調理法
戻し方をマスターしたら、次は調理法です。干ししいたけのうま味を最大限に引き出す3つの方法をご紹介します。
うま味閉じ込め焼き法
干ししいたけを焼く時のポイントは、カサの内側(ヒダがある方)を上にして焼くこと。焼いている間に出てくる水分には、旨味成分がたっぷり含まれています。この水分をカサの中に閉じ込めることで、旨味を逃さず調理できるんです。
バターを少し加えると、干ししいたけの香りとバターの風味が絶妙にマッチして、より深い味わいになりますよ。
戻し汁活用の煮物法
干ししいたけを戻した後の戻し汁、捨ててませんか?
あの戻し汁には、干ししいたけから溶け出した旨味成分がたっぷり含まれているんです。この戻し汁を使って煮物を作れば、深いコクと風味が楽しめます。
特に根菜類との相性は抜群!干ししいたけの戻し汁で大根や里芋を煮ると、野菜の甘みとしいたけの旨味が溶け合って、格別の味わいになります。
粉末活用法
干ししいたけをミキサーやフードプロセッサーで粉末にすると、万能調味料の完成です!
この粉末は、スープや味噌汁のだしとして使えるのはもちろん、炒め物や煮物の隠し味、パスタやリゾットの風味付けにも大活躍。少量でもしっかりとうま味が効くので、料理の味に深みを出したい時の強い味方になります。
塩と混ぜれば「しいたけ塩」の完成。これをおにぎりや天ぷらにかけると、一気に料亭の味に格上げできますよ!
干ししいたけを使った簡単レシピ3選
最後に、干ししいたけを使った簡単でおいしいレシピをご紹介します。
1. 干ししいたけの炊き込みご飯

乾燥ごぼうや干ししいたけを使った、旨味たっぷりの炊き込みごはんレシピ。シンプルな材料で手軽に作れるのに、食卓の主役になる一品です。乾物ならではの香りと食感がご飯に染み込み、冷めても美味しくいただけます。
2. 干し椎茸のリゾット

干ししいたけのうま味が主役になる、シンプルで奥深い美味しさのリゾットレシピ。戻し汁を使うことで、しいたけの風味がご飯全体に染みわたり、仕上げにオリーブオイルとブラックペッパーをかけるだけで、上品な一皿に。乾燥野菜の旨味を存分に楽しみたい方におすすめです。
3. 乾燥しいたけとこんにゃくのしぐれ煮風

干ししいたけの豊かな旨味がしみ込む、ほっと温まる和のおかず。乾燥しいたけの深い風味がこんにゃくに染み渡り、それだけで立派な一品になります。調味はバルサミコ酢や白ワインといったちょっとした工夫が光り、ごはんにもお酒にも合う絶妙な味わいです。
まとめ:干ししいたけで料理の格を一段上げよう
干ししいたけは、生のしいたけの約10倍ものビタミンDと約2倍の食物繊維を含む栄養の宝庫。そして何より、三大うま味成分の一つ「グアニル酸」を豊富に含む、料理の味を決定づける重要な食材です。今回ご紹介した3つの調理法を活用すれば、干ししいたけの旨味を最大限に引き出し、普段の料理をワンランクアップさせることができます。
スーパーでは手に入らない乾燥野菜を食べてみたくなったら、もちろん自作してみるのもおススメです。作り方はとっても簡単!洗った野菜の水気を拭いて、切った野菜を風通しと陽当たりのいい場所で天日干しするだけ。
自作できるようになるまで待てない!というアナタは、ぜひ[OYAOYA]の乾燥野菜を召し上がれ。